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高血圧は無症候性の性質がもつことから全身性疾患の中で最も過少診断されているものの一つです。

血圧とは心拍出量と全身の末梢抵抗が密接に関連していて、自律神経系、レニン、アンギオテンシン
アルドステロン系、内皮シグナル伝達メカニズムの複雑な相互作用の直接的及び間接的な影響を
受けています。

高血圧は臨床的に原発性、続発性に分類され、動物の場合 ほとんどが続発性高血圧です。
原因として、副腎皮質機能亢進症、腎疾患、甲状腺疾患、真性糖尿病、肝疾患、薬物の使用、
その他が挙げられています。

犬、猫の高血圧の定義は150/95mmhg以上を高血圧とし、初期症状は眼、心臓、脳、腎臓に現れます。

眼では、網膜浮腫、血管の蛇行、出血から脈絡膜細動脈の収縮、網膜色素上皮の虚血性壊死を引き
起こす高血圧性網膜症、網膜剥離を引き起こす脈絡膜症が続発する。

心臓では、血圧ともに後負荷が増大し、心雑音、不整脈、ギャロップ音が生じることがあります。

脳では、斜頚、運動失調、抑鬱、見当識障害、痙攣発作といった高血圧性脳症が生じることがあり
この病態場合 予後がよくありません。

腎臓では、腎動脈圧の上昇により腎尿細管の変性、間質線維症につながります。さらに糸球体高血圧
から糸球体硬化症、糸球体委縮、増殖性糸球体炎が生じます。腎臓の変化は進行性のものです。

血圧の測定


血圧の測定には観血法と非観血法があります、より正確な観血法は動物への侵襲性が高いため、臨床現場では非観血法が用いられています。 非観血的測定にはドップラー血流検出、
オシロメトリー、プォトプレチスモグラフィがあります。これらの方法は絶対的に正確とはいえません。また全ての動物に全ての方法が適するわけでもありません。



測定値へのアーティファクトを減ずるために、飼い主様に動物を落ち着かせていてもらう、数回測定を行うといった工夫も必要です。

高血圧切迫症の場合、24時間体制で血圧を下げるためのクリティカルケアが必要になります。
高血圧に対する降圧的薬物治療では、犬ではアンギオテンシン変換酵素阻害薬、猫ではカルシウムチャネル遮断薬を第一選択とすることが一般的です。



肥満や高Na食が高血圧に結びつくという決定的なエビデンスは得られてはいませんが、医学状態に良くないことは確かであるので、良好な体重コントロールと、適度にNaを制限した食餌を与えることは全ての患者にとって大切なことです。普段から 健康チェックのひとつとして血圧を測りましょう。