セキセイインコの蝋膜 色の変化と異常


上図のようにセキセイインコの蝋膜(ろうまく)が茶色く変化する場合、その背景にはいくつかの正常な生理的変化や病的な原因が考えられます。以下に整理します。
蝋膜が茶色くなる主な原因
1. メスの発情・ホルモン変化(正常)
メスのセキセイインコは、発情期になると蝋膜が淡い青から白、さらには茶色(濃い焦げ茶)へと変色することがあります。
【見られる時期】
・ 日照時間が長くなった時期(春〜初夏)や、高カロリー食・巣材が多い環境。
【特徴】
・ 蝋膜がゴツゴツ・角質化する。
・ 色は茶色〜黒っぽい茶色。
・ 痛みや出血はない。
➤ 対処:病気ではないが、発情抑制の環境管理(食事や日照制限)が重要。
2. ホルモン異常・卵巣疾患などの内分泌疾患
過剰な発情や内分泌異常により、持続的に蝋膜が厚くなり茶色くなることがあります。
【疑うサイン】
・ 明らかに異常な角質肥厚(ボコボコで剥がれそう)。
・ 発情行動(吐き戻し・巣作り・足を交互に上げる)が継続。
・ 体重増加や腹部膨満。
➤ 対処:動物病院でのホルモン治療や卵巣・卵管疾患の確認(レントゲンや血液検査)が必要。
3. ダニ感染(疥癬症:ケナガコナダニ)
疥癬症では蝋膜や嘴に白っぽいカサブタ状の病変が生じ、その後変色や変形を伴います。
【特徴】
・ 蝋膜が茶色く変色+白いカサブタ様。
・ 嘴や目の周り、足のうろこも荒れることがある。
➤ 対処:病院での顕微鏡検査と駆虫剤(イベルメクチンなど)が必要。
4. オスだと思っていたが実はメス
若齢の頃は蝋膜が薄青く見えても、成長とともに茶色くなり、実はメスだったというケース。
➤ 対処:性別判定が必要な場合はDNA検査を。
蝋膜の異常についてまとめ
