歯科
猫の歯肉炎 口内炎/破歯細胞性吸収病巣
猫における猫の歯肉や口腔内粘膜組織に疼痛と炎症を引き起こします。
この歯肉炎口内炎の病因はいまだわかっていませんが、ウイルスや免疫が関与しているといわれています。
好中球の機能不全(防御機能異常)、口腔の細菌性疾患、ウイルス性疾患(カリシウイルス、猫免疫不全ウイルス、ヘルペスウイルス)、歯牙疾患(歯固病病原体、吸収性病変)、免疫過敏症または免疫不全症などがあげられます。
慢性口内炎の猫の85%はウイルスの長期的なキャリアーです。
下顎第3前臼歯と第1後臼歯が最も多くみられます。
口腔内のX線検査が不可欠で、治療は抜歯を含む歯肉の掻爬と、抗炎症剤や免疫抑制剤の継続的な投与が必要です。
噛む時の疼痛による症状
摂食困難による食欲低下、片側性に噛む、動作知覚過敏、歯ぎしり、口臭、出血を伴った流涎(よだれ)被毛の汚れ 体重減少、リンバ節の腫脹、脱水症状、出血、口蓋、舌弓部と咽頭にに病変が及ぶ口角部の潰瘍、歯槽骨の重度の消失、肉芽組織で満たされた空洞としてみられる歯冠部がピンク色に変色している。
行動の変化
不活発、攻撃的、グルーミングが減る、食習慣の変化、軟らかい食べ物を好む
初期症状の発見
- 歯の頚部・根分岐部に歯肉の発赤・腫脹
- セメント-エナメル接合部付近の歯肉との境界部から生じるエナメル質や象牙質に浅い損傷
- 肉芽組織領域として存在
- 進行したネックリージョンでは象牙質に病巣進行
- 進行性のもの 発見が遅れると抜歯
- X線検査で確認
治療の目的は 疼痛をやわらげる 病巣の進行を防ぐこと
- 初期であればエナメル質の再石灰化の処置ができる
- セメント-エナメル接合部(歯肉線)に齲歯の窪みとして認められる
- レントゲン写真では歯根にも穴
- 破歯細胞によって覆われ 破骨細胞は吸収 歯の成分を除去し続ける
- 脱灰により象牙質を退行
- 破歯細胞は溶解部に強固に付着
- 猫が何らかの固形物FOL歯で噛んだ時に歯冠が脱落
- 効果的な治療法はただ1つ 抜歯
- 病変は常に進行性
- 最低限の侵入病変のみの場合
- 歯を保存するためにグラスアイオノーマ
- 修復治療 6ヵ月後の症例では68%が成功 2年後には10%に減少
- 歯髄への侵入を伴うものに対しては、抜歯
- 歯肉から隣接した頬粘膜と舌下粘膜まで広がる、重度の潰瘍性肉芽腫性増殖
- 歯槽頂部の骨吸収
- 根分岐部のx線透過像 水平吸収 垂直吸収
- 根尖歯根膜腔の広大
- 歯槽硬線の不連続性あるいは不透過性の消失
- 歯槽硬線の破壊による骨縁上下ポケットの形成
- 歯周病 炎症 疼痛を無くす目的で全抜歯をすることもある
- FELV FIV感染していると治療効果低い
診断
尿毒症 糖尿病との鑑別が必要です。
血液検査 CBC 化学検査、尿検査、ウイルス血清学的検査 X線学検査
猫の歯肉炎 口内炎の治療
歯周のデブリード、選択的抜歯あるいは全抜歯、全身性の抗生剤投与、様々な用量のコルチコステロイド投与 低アレルギー食、フィッシュオイルの補給、口内炎と猫免疫不全症ウイルスを併発している猫には免疫刺激剤としてレバミゾールの投与、インターフェロン、免疫調整とスピロヘータの抑制を目的としたメトロニダゾール、免疫抑制剤の酢酸メチルプレドニゾロン、抗菌性口腔洗浄液などさまざまな治療を併用します。
その他の治療法として
牛ラクトフェリン、AZTまたは非環式ブリンヌクレオシド類似物質、9 -2ホスホノメトキシチルアデニンやPMEAをつかうなどがありますが、もうひとつです。
難治性の病変
治療法には、アサチオブリン、クロラムブシル、放射線治療があります。
炎症を起こした増殖組織に対するレーザーの有益性については論争中ですが、モニタリングをしながら上記治療に加えてレーザー 免疫抑制剤を使いできるだけよい状態を保つようにします。
前臼歯と臼歯の全歯は、症例の60%で臨床的な治癒 20%では存意な改善がみられます。
抗炎症量から免疫抑制量のコルチコステロイド投与:最も安定した疼痛軽減が得られますが、完全寛解にはなりません。
一般に猫は犬やヒトに比べてコルチコステロイドの副作用はでにくいですが、定期的にチェックしながら投与します。
副作用は 一過性 あるいは永続的糖尿病 希ですがクッシングなどです。
歯科処置術前にはウイルス検査 バルトネラ陽性であれば、アジスロマイシンを3週間
他の抗生物質を投与3日から1週間、
多数の抜歯をする場合は 眼か下や下顎の歯槽骨神経局所麻酔でプロックします。
吸収病変を伴う歯、あるいは歯槽骨の支持が|/2以下喪失している重度の歯槽骨喪失に対しては外科的に抜歯をすることになるかもしれません。
病気の進行と予防
症状を疑ったら早めに診察を受けて下さい