ホーム


角膜分離症は、猫でみられる角膜の表層(上皮)が基底膜から浮いたり剥がれたりする病態です。一般的な角膜潰瘍と似て見えますが、上皮がうまく定着せず再発・遷延しやすい点が特徴です。


主な原因:猫ヘルペスウイルス1型(FHV-1)感染


• 慢性角膜炎・慢性結膜炎
• 外傷(軽微な擦過でも発症)
• ドライアイ・瞬目異常
• 免疫低下・ストレス
• 治癒遅延型角膜潰瘍(indolent ulcer)に近い病態

よく見られる症状

• 片目または両目の目ヤニ増加 しょぼしょぼする/瞬きが多い
• 白濁・透明感の低下 充血・痛み 再発を繰り返す角膜病変

検査

・ フルオレセイン染色 上皮が浮いている部分で染まり方が不均一
・ スリットランプ検査
・ FHV-1感染の臨床的評価 必要に応じて角膜掻爬で上皮の接着状態を確認

治療の基本方針

① 内科的治療(軽症〜中等症)
 • 抗菌点眼(二次感染予防)角膜保護剤(ヒアルロン酸など)抗ウイルス治療 ※点眼:トリフルリジン等 内服:L-リジン(効果は個体差あり) 
 • エリザベスカラー(掻破防止)
② 外科的・処置的治療(治りにくい場合)
 • デブリードマン(浮いた上皮の除去)
 • グリッド角膜切開/ダイヤモンドバー研磨
 • 上皮の再接着を促進
 • 治療用コンタクトレンズ 瞬膜フラップ(重症例)

予後と注意点

• 再発しやすいため、完治まで数週間〜数か月かかることも
• ヘルペス関連例ではストレス管理が重要
ステロイド点眼は原則禁忌(潰瘍悪化の危険)

猫の角膜分離症は、目の表面の膜がうまくくっつかず、基本的に治りにくい状態です。ウイルスや慢性炎症が関与することが多く、点眼や処置を続けながら慎重に治していく必要があります。